~抗インフルエンザ薬の使用について~ 日本感染症学会からの提言

2019年12月11日水曜日

感染症

 最近、日本感染症学会から「~抗インフルエンザ薬の使用について~」の提言が発表されました。その内容を一部抜粋してお伝えします。


初めに:
 2009年の新型インフルエンザの大流行に際して、日本は世界で最も致死率の低い結果となりました。これに対してWHO(世界保健機構)が「日本では、医療機関を受診したほとんどのインフルエンザ様疾患患者は早期に迅速診断検査を受け、陽性の場合は、全例がノイラミニダーゼ阻害薬(注:タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ)による治療を受けている。2009年のパンデミックで、日本では多くの患者が出たにもかかわらず致死率が低かったが、早期のノイラミニダーゼ阻害薬治療を全例に実施したことによるものであった。」と2017年に報告しています。
 
基本的な考え方:
 タミフルなどのノイラミニダーゼ阻害薬の早期治療による、症状緩和、罹病期間の短縮、入院防止、肺炎などの下気道感染症合併防止に有効であると複数の研究報告があります。それに従い、これらの薬は発症後48時間以内に使用すると決められています。

ゾフルーザ:
 2018年3月に発売された話題の新薬です。解熱までの期間はこれまでの抗インフルエンザ薬とほぼ同じですが、1回の内服で治療が完結することで話題となりましたが、この薬を使うとウイルスが薬に効きにくく変化することが言われています。事実、発売前のメーカーによる調査でも12歳未満の患者では23.4%で突然変異が確認されました。このウイルスは患者から他の人にも感染し、通常のウイルスよりも罹病期間が1.8倍に延長していました。このため、今回の提言では12才未満の患者への使用は「慎重に検討する。」とされています。当院では基本的には使用しない方針です。